お待たせしている患者さまやご家族の皆様にも、くつろいで過ごして頂きたいと思っております。今月のBGMは友人の大石学さんのジャズピアノにしています! アルバム”Here Now ”や”心象現象III”の中からも、クリニックのBGM向きの穏やかな曲を選んでいます。また、前回もご紹介した、1986年に出したファーストアルバムの復刻版の "風紀行 Transit on The Wind"も流しています。8月28日に広島で行われたライブも聴いてきましたが、2か月に1回CDを製作されているとのことで、相変わらずパワフルな大石さんから、たくさんの元気を頂きました。次回受診日をお楽しみに(^^)/
第31回日本老年精神医学会へ参加してまいりました。1日休診とさせていただき、皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしました。企画教育講演2では金沢大学の山田正仁先生よりアルツハイマー病と誤りやすい非アルツハイマー型変性認知症のお話がありました。神経原繊維変化型老年期認知症 (senile dementia of the neurofibrillary tangle type:SD-NFT) はアルツハイマー病に特徴的なアミロイド沈着を呈さないタウオパチーの一種で、比較的緩徐に進行するもので、脳のエイジング過程が加速されたものだと考えられているそうです。10年後にはタウ蛋白をターゲットとした治療薬、ワクチンが登場してくるだろう、とのことでした。老人性物忘れ、と言われている方々の病態と考えられ、安易に抗認知症薬を処方するべきではないとのディスカッションもありました。BPSD治療の新展開というシンポジウムで発表された、大阪大学の数井裕光先生の認知症ちえのわnetの構築と運用についてご紹介したいと思います。BPSDとは認知症に伴う周辺症状、いわゆる問題行動などを指しますが、医療従事者、患者家族が経験した対処法をネット上で共有し合って有効な方法を開発しようという試みです。手間と時間のかかる臨床研究でエビデンスを出すのではなく、集合知を正とする立場を取っており、私もさっそく登録しました! 認知症介護でお困りの方、認知症治療に従事されている方も、ちえのわnetへ参加されてはいかがでしょうか。当院での治療も日々レベルアップしていけるよう、努力してまいりたいとあらためて思いました。
世界保健機関(WHO)は毎年5月31日を世界禁煙デーに定め、タバコフリー(たばこから解放された)社会の構築を目指し、厚労省も日本での禁煙を推進しています。今年のキャッチフレーズはGET READY FOR PLAIN PACKAGING(タバコの包装広告をなくそう)で、ラグビーの五郎丸選手がポスターで禁煙を訴えています。今年も日本禁煙学会認定のイベントが全国で行われます。また、若年者や未成年者も禁煙外来が受けやすいよう、この春に診療報酬が改訂されました。ご自身やご家族を守るためにも、是非最寄りの禁煙外来、または当院の禁煙外来をご利用ください。